逢魔時の黒猫 〜水鏡に残された想い〜

作:早川ふう / 所要時間 30分 / 比率 2:1

利用規約はこちら。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。2014.09.28.


【登場人物紹介】

相田真紀(あいだ まき)
  幼い頃、母が家を出て、父子家庭で育つ。
  就職してすぐ、父親が病気になり、仕事と介護を両立してきた。
  それが原因で恋人と別れている。20代後半〜

黒猫(くろねこ)
  黒猫。最初の台詞は動物の姿での台詞。
  特定の状況下で、人間の姿となり、人と会話することができる。
  飄々としていてつかみ所がない。

田宮博史(たみや ひろし)
  真紀の別れた恋人で上司。
  真紀の父・正利と間違えるほどに声がよく似ている。

相田正利(あいだ まさとし)
  典型的な亭主関白タイプの父親。頑固で粗野。
  真紀の母親と別れてからは男手ひとつで真紀を育てる。
  定年退職間近に病気の兆候があらわれ、今は施設にいる。


【配役表】

真紀・・・
博史&正利&声・・・
黒猫・・・



真紀    あーあ、私何やってるのかな……。

黒猫   『ニャー』

真紀    こんな駅前に猫? 珍しい。

黒猫   『ニャー』

真紀    そういえばあいつも猫飼ってたっけ。新婚家庭にも連れて行くのかな……



黒猫    逢魔時(おうまがどき)、それは、一日が終わろうとする夕暮れ時。
      昼であって昼でなく、夜であって夜でなく、
      二つの時が交わり歪みが生まれる時間……。
      私が私となれるのも、この僅かな時間しかありません。
      あとはもうひとつ、条件が揃えば、人の前に現れることができるのですがねぇ。



真紀    今日は、元カレの結婚式だった。
      いくらアイツが上司とはいえさ?
      いくら私達の関係を秘密にしていたとはいえさぁ?
      元カノの私を結婚式に呼んで、スピーチまで頼む? 無神経な男!



博史   『……ごめん、真紀』

真紀   『どういうこと。ちゃんと説明して。
      何でいきなり別れようなんて言うの?』

博史   『ずっと訊きたかったんだ。
      真紀にとって、俺って必要か?』

真紀   『え? 何それ』

博史   『俺はお前の人生に必要ないだろ?
      俺はお前の支えになれてないもんな』

真紀   『ちょっと、冗談もいい加減にしてよ!』

博史   『冗談でこんなこと言わねーよ。
      お前は、俺がいいわけじゃないだろ。
      俺じゃなくてもいいんだもんな?
      俺は俺じゃなきゃ駄目だって言ってくれるヤツと一緒にいたいんだよ』



真紀    まさか現実にそんな糞ドラマみたいな台詞を吐く奴がいるとは思わなかった。
      でも、そんな振り方をしてきた男の結婚式に出席してきた私は
      もっと馬鹿、かもしれないけど。
      あーあ……なんかもう……ほんと……やんなっちゃうな……。



(バス停のベンチに座っている真紀の隣にいつのまにか黒い服の人間が腰掛けている)

黒猫   「こんにちは」

真紀   「え? はぁ、こんにちは」

黒猫   「バスを待ってらっしゃるんですか?」

真紀   「ええ、まぁ。貴方もですか?
      バス、さっき出たばかりみたいで、お互いタイミング悪かったですね」

黒猫   「そうですね。……まぁ私はバスには乗りませんが」

真紀   「え、じゃあ何でここに……? 座りたいだけ?」

黒猫   「私の姿は他の人には見えませんから大丈夫なんですよ」

真紀   「はぁ?」

黒猫   「私は黒猫と申します。先ほど貴女と目が合いましたよね?
      貴女のおかげで人の姿になることができたので、
      一言、御礼を言っておこうかと思いまして」

真紀   「……くだらない冗談に付き合える余裕ないんで、
      バスに乗らないなら向こう行って下さい!
      向こうのベンチに座ればいいじゃないですか!」

黒猫   「ちなみに私の声も、貴女以外には聞こえてませんので、
      大声を出すと笑われますよ?」

真紀   「何わけのわからないことを…」

黒猫   「うーん、いつも皆さんそう仰るんですよね。
      まぁ、仕方のないことなのかもしれませんが。
      ……さてと、鏡はどこかなあ?」

真紀   「鏡?」

黒猫   「私が人の姿になる為には、“鏡の力”が必要なんですよ。
      でもおかしいですねぇ、力のある鏡が見当たらない……。
      バスのバックミラーや道路のカーブミラーのはずないしなぁ」

真紀   「……」

黒猫   「あ、なんかすみません、ペラペラとしゃべってしまって」

真紀   「……」

黒猫   「あるぇ? 無視ですか? もしかしてイラッときちゃいました?
      すみませんねぇ。こうして人と話せるのも滅多にないことなので、
      テンションがあがってしまうんですよ」

真紀   「一人で勝手にしゃべってればいいじゃないですか。
      私は関係ありませんから」

黒猫   「……怒りと憤りの中にある悲しみ……。
      貴方の死にたい理由はその奥にあるのでしょうか」

真紀   「えっ……」

黒猫   「死にたい、って思ってるんでしょう?
      私を必要としている人は皆そういう人ですから、
      隠さなくても大丈夫ですよ」

真紀   「……何なの、いきなり……どうしてそんなこと……」

黒猫   「私はただの黒猫です。
      しかし不本意ながら、死神と呼ばれることが多いんですがね」

真紀   「死神!?」

黒猫   「信じられないのも無理はありませんが、これ本当なんですよ。
      逢魔時! 死にたいと思う人間! そして、力の宿る鏡!
      条件が揃って初めて私は人の前に現れることができるんです。
      その人間の願いを、叶えるために」

真紀   「願い……」

黒猫   「だから死神って呼ばれちゃうんですよね。
      死にたいと思う人間としか出会えないのに、
      その人間が何を望むかなんて、決まってるじゃないですか。
      故に、死神と呼ばれてしまう……悲しいものですよ」

真紀   「確かに、死にたいって思わなかったわけじゃないけど……」

黒猫   「願いは何でも構わないんですよ。
      本当に死にたいと願うのなら、死を与えましょう。
      もし他に願いがあるのなら、叶える手助けをいたしましょう。
      でも対価として、ちゃんと理由は訊かせていただきますよ?」

真紀   「……私の願い……」

黒猫   「本当は鏡の力を使って貴女の記憶を覗かせていただくんですよ。
      そうして願いを見つけるんですが、
      いかんせん鏡がなくてはどうにも……おや?」

真紀   「あっ、水が光ってる……」

黒猫   「なるほど。噴水、ですか。
      これが水鏡の役割を果たしていると?
      うーん、洒落てますねぇ」

真紀   「どういうことなの、これ!」

黒猫   「人の造り出した水鏡にどれほどの力があるかはわかりませんが、
      さあ、貴女の願いを、見つけにいきましょうか……」

(間)

博史   『今日からこちらでお世話になります。田宮博史です。
      課長という役職にはおりますが、なにぶん他の部署からの異動で、
      何もわからない新人と同じ立場です。
      皆さんに助けてもらうことが多々出てくると思いますので
      どうぞよろしくお願いします』

真紀   「えっ!? 博史……!?」

黒猫   「田宮博史さん。
      あの男性が、貴女の苦しみの理由ですか?」

真紀   「……3年も付き合って、そりゃエンゲージじゃないけど、指輪だってもらってた。
      社内恋愛だったから周りに内緒にしてたとはいえ、
      将来を夢見ないわけじゃなかったのに……」

黒猫   「恋は散ってしまった」

真紀   「そんな綺麗なもんじゃない。
      若い子に奪られちゃったの。……戦うこともできなかった」

黒猫   「彼に未練がおありなのですか?
      彼を手に入れたい、それが貴女の願いならば、叶えることもできますよ」

真紀   「あんな男、もう要らないよ!」

黒猫   「おや、そうですか」

真紀   「私が一番大変な時に助けてもくれなかったんだから!」

黒猫   「ほう……大変な時、ですか……」



博史   『真紀、約束してた来週の日曜のことなんだけどさ、』

真紀   『ごめん。父の具合がよくなくて。
      また今度にしてくれないかな』

博史   『具合がよくないって……子供じゃないんだから一日ついてなくても平気じゃないのか?』

真紀   『それでもやっぱり心配だから』

博史   『お前のこと、両親に紹介したいんだよ。だから、』

真紀   『博史の両親と私の父を天秤にかけろって言うの?』

博史   『そんなことは言ってないだろう!?』




真紀   「やめてよ、思い出したくもない! こんな風景見せないで!」

黒猫   「成る程。ご家族がきっかけで喧嘩をされた、と」

真紀   「……父が身体を壊して……うちには私しかいないから……」

黒猫   「けれど彼はそれを理解してはくれなかった」

真紀   「そうね。こんなに冷たい男だとは思わなかった!」

黒猫   「では何故、そのような男性とお付き合いされたんです?」

真紀   「それは……」




博史   『相田さん』

真紀   『えっ!?』(大きく驚く)

博史   『え……ごめんなさい、驚かせてしまいました?』

真紀   『あ、いえ、違うんです、すいません!』

博史   『顔色悪いですけど』

真紀   『大丈夫、ですか……ら……』

博史   『わっ、……相田さん!? しっかり!』




黒猫   「倒れた貴女を介抱してくれたことがきっかけ、ですか」

真紀   「そうね。……ありきたりな展開で恥ずかしい」

黒猫   「でも、貴女は倒れるほど驚いたんですよね」

真紀   「……貧血だっただけよ」

黒猫   「それだけじゃないでしょう?」

真紀   「あのさ、訊かないでおくっていう選択肢はないの?」

黒猫   「遠慮をしている時間が無駄ですからね〜」



真紀   『ただいま』

正利   『真紀! お前、何時だと思ってるんだ!』

真紀   『ごめんなさいお父さん、今ごはん作るから』

正利   『ちゃんと仕事はしてるんだろうな!?』

真紀   『してます。だから遅くなったんじゃない』

正利   『仕事に行くのにどうしてそんなチャラチャラした格好をするんだ!
      母さんのようになりたいのか! そんなふしだらな娘に育てた覚えはないぞ!』

真紀   『ちゃらちゃらなんてしてないよ。
      これが今の流行りなの。皆と同じような服を着てなきゃ、友達もできないから』

正利   『だったら友達なんぞ作らんでよろしい!』

真紀   『お父さん! いい加減にして! 仕事の付き合いだってあるのわかるでしょう!?』

正利   『女が口答えをするんじゃない!!!』



黒猫   「随分と厳しいお父様で」

真紀   「子供の頃からずっとこうなの。自分が法律って人だから」

黒猫   「……しかし、よく似ていますね」

真紀   「ほんと驚いた。父とそっくりの声なんだもの。
      多少、博史より、父の方が低くて乱暴だけど」



博史   『あ、気が付いた? 大丈夫?』

真紀   『お、とうさ……ん……?』

博史   『え?』

真紀   『あ……! 田宮、課長?』

博史   『……どうしたの』

真紀   『え?』

博史   『泣いてるよ』

真紀   『……涙……、どうして』

博史   『お父さんと、何かあったの?』

真紀   『あ……ち、違うんです、本当にすいませんでした』

博史   『謝らなくていいよ。具合はどうかな? 
      早退の手続きしてきたから、もし動けるならもう帰っても大丈夫だよ』

真紀   『はい……』

博史   『……まだ顔色悪いなあ。……よし、送ってくよ。僕車だから』

真紀   『えっ!? それはさすがに……大丈夫ですから』



黒猫   「お父様とよく似た声に優しくされたことが、そんなに嬉しかったんですか?」

真紀   「……嫌な言い方しないで」

黒猫   「まるでお父様に大切にされているようですものね」

真紀   「ちょっと!」

黒猫   「私何か間違ったこと言いましたか?」   

真紀   「人の心に土足で踏み込まないで!」

黒猫   「貴女の願いがわかるまではどこまでも踏み込みますよ」

真紀   「随分卑劣なのね……!」

黒猫   「ふふ。でも、貴女にはわかってるんじゃないんですか。
      ただ見ないふりをしているだけで」

真紀   「わかってるって何が」

黒猫   「……この彼が言っていたことはあながち間違いじゃありませんよね。
      貴女は誰でもよかったんじゃないですか?
      優しくしてくれる人なら、誰でも」

真紀   「失礼なこと言わないで!」

黒猫   「先ほど彼は助けてくれなかった、と仰いましたが、
      貴女が大変な時、貴女は、彼に甘えることができましたか?」

真紀   「……それは……」

黒猫   「彼は自分を頼ってくれないことを寂しく思ったでしょうね」

真紀   「頼るって……だって、それはこっちの問題だし。
      だからデートの延期とかお願いしてたんじゃない……」

黒猫   「……貴女がそこまで頑ななのはどうしてですか?」

真紀   「……迷惑かけて嫌われたくないもの」

黒猫   「……でも現に、別れを切り出されましたよね?」

真紀   「……っ!
      そんなに私に言わせたいわけ? 私はいつも邪魔者だって!
      誰からも必要とされない嫌われ者だって!
      生まれてこなきゃよかった人間なんだって!」

黒猫   「ほら! 自覚があるじゃないですかぁ!」

真紀   「あなたが言わせたんでしょう!?」

黒猫   「……人は、孤独にたえられないイキモノですね」

真紀   「は?」

黒猫   「私は孤独が平気なんです。此処でいつもヒトリ。
      だって人ではありませんからね。ふふ。
      ……だから貴女のつらさも苦しさも、
      見せていただかないと、願いがわからない……」

真紀   「……あんな父親だったから、母親も男作って出て行った。
      私は母親からも捨てられたの。
      父親からは、あんな女の娘ってずっと言われ続けてきた。
      育ててもらったけど。学校も行かせてもらったけど。
      それも世間体でしょ。
      私は父親専用の家政婦なの。母のかわりにね」

黒猫   「男手ひとつで育ててくれたお父様の面倒をみる良い娘さん、じゃないんですか?」

真紀   「良い娘であろうと、ずっと努力はしたつもりよ。
      家事だって誰に教えられたわけじゃないし」

黒猫   「それでもお父様との関係は改善されなかった」

真紀   「悪くなる一方ね。きっと私が母親に似てるのが嫌なんじゃない?」

黒猫   「けれど、家政婦としては少なくともご家庭に居場所があったんですよね?
      必要とされてたんじゃないんですか?」

真紀   「……」

黒猫   「失礼。……少し言葉が過ぎましたね。さすがの私でも、そこは汲み取れます。
      なるほど、事情はわかりました。
      それで水鏡、なのでしょう」

真紀   「え?」

黒猫   「バスを待ちながらこの噴水を眺めていたのは貴女だけではない。
      此処は貴女のご自宅の最寄り駅のバス停です。
      つまり、バスを利用する多くの人が、この水鏡を見つめたはずですよね」

真紀   「何が言いたいの?」

黒猫   「さて、たくさんの想いを吸い込んできた水鏡さん、
      彼女の願いに迫る風景を、そろそろ見せてください」



声    『真紀』

真紀   「……博史!?」

黒猫   「おやおや? これは本当に博史さんの声、ですか?」

真紀   「……まさか」

正利   『真紀』

真紀   「……お、お父さん……!?」

正利   『すまない』

真紀   「えっ……」

正利   『……すまない、真紀』

真紀   「嘘……! こんなこと、お父さんが言うはずない……」

黒猫   「鏡は真実をうつします。これも、真実ですよ」

真紀   「だって! もう、お父さんは私が誰だかもわからないのに……!」

黒猫   「……貴女はずっと介護なさってきたんですよね。
      ひとつひとつ忘れていく、ひとつひとつ出来なくなっていくお父様を。
      仕事をなさりながら、健気にお父様を支えてきた。
      良い娘であろうとして。
      なぜなら……愛されたかったから」

真紀   「やめて!!!」

黒猫   「けれど貴女はわかっていた。
      お父様のご病気で、その願いが叶うことはないということに。
      そしてせっかくお父様の代わりに愛してくれる人を見つけたのに、
      去っていってしまった……」

真紀   「やめてって言ってるでしょう!!!!」

黒猫   「大丈夫ですよ。……さあ、しっかりと見つめてください。
      水鏡に残された、真実を。貴女が求めている、願いを」

真紀   「……っ」

正利   『真紀。……わたしは不器用な男だった。
      愛した女性ひとり幸せにできず、幼いお前につらい思いをたくさんさせた』

真紀   「本当に、これはお父さんなの……?」

黒猫   「もちろんです」

正利   『わたしはお前にとって良い父親ではなかっただろう。
      どれだけ頭を下げても、時は戻らない。後悔してもしたりない。
      けれどお前は、家事も、仕事も、きちんとできる真面目な子に育ってくれた』

真紀   「お父さん……」

正利   『そんな娘に、負担ばかりかけて本当に申し訳ない。
      生き恥を晒して、なんと情けないことか』

真紀   「そんなこと……私は、そんなこと思わない……!」

正利   『しかし、お前に伝えたいことがあったんだ。
      どうしても、伝えなければいけないことがあったんだ。
      お前が生まれたときのことだよ』

真紀   「っ……」

正利   『あの日、わたしもお前のお母さんも、本当に喜んだんだ。
      お前はわたしたちが望んで生まれた子なんだよ。
      今更信じられないかもしれないが、
      わたしはずっとお前の生まれたときの写真を定期入れに入れていたしね。
      しかし、可愛がってやれなかった自覚はある。……すまない』

真紀   「嘘……」

正利   『お前ももう年頃だな。
      恋愛にうつつを抜かすなと何度も言ったが、……結婚はしてほしいと思っている。
      けれど、わたしのような男を選ぶんじゃないぞ。
      お前をちゃんと支えてくれる人を選びなさい。
      お前がちゃんと支えたいと思える人を選びなさい。
      もうわたしは、お前の幸せを祈るしかできないけれど……それでも、忘れないでほしい。
      真紀は、わたしには勿体無いくらいの、自慢の娘だ。
      誰よりも幸せになってほしい。
      幸せに、なりなさい。幸せに……』

真紀   「お父さん……! お父さん!!」


黒猫   「……貴女の願いは、死ぬことではありませんでしたね。
      死神としての役目は後味が悪いですから。本当によかった。
      貴女は愛されていたと自覚することができた。
      だからきっと愛せる人にも出会えるでしょう。
      貴女が本当に幸せになれる未来を……生きて見つけてください」

(間)

真紀   「お父さん。来たよ。ごめんね仕事忙しくて……でも元気そうだね」

正利   「……どなたでしょうか」

真紀   「真紀だよ、真紀」

正利   「真紀さんですか、こんにちは」



真紀    いつか、見つけることができるだろうか。
      私自身が本当に愛せる人を。



真紀   「……いい天気だよ。お散歩いこうか、お父さん」







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