3匹の子ニートブタ 〜愛は地球を救う〜

作:早川ふう / 所要時間 25分 / 比率 4:1

利用規約はこちら。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。2016.07.28.


【登場人物紹介】

長男豚
  三兄弟の一番アニキ。のんべんだらりとしているヒキニート。
  劇中で「ZARD/負けないで」を歌います。 

次男豚
  三兄弟の二番目。長男より多少活動的なオタニート。なかなかに博識。
  劇中で「ZARD/負けないで」を歌います。

末子豚
  三兄弟のちょっとマセてる末っ子ニート(ガキ)。
  劇中で「KAT-TUN/Real Face」、(マニアックな箇所を歌うので、曲の冒頭の確認を是非)
  「関ジャニ∞/ズッコケ男道」を歌います。

オォカミン
  三兄弟のオカンと狼の二役。可愛いママン・オオカミン。
  劇中で、ビフォーアフターBGM『TAKUMI/匠』を口ずさんだり、
  「KAT-TUN/Real Face」、「関ジャニ∞/ズッコケ男道」、
  「ZARD/負けないで」を歌います。

語り手
 ナレーターなのに語らせてもらえない不憫キャラ。完全なるリアクション担当。


【配役表】

長男豚・・・
次男豚・・・
末子豚・・・
オォカミン・・・
語り手・・・



語り手   「作者の嘘つきっ!!
       もうこのシリーズは書かないってあんなに言ってたのに!
       ツイッターでもさんざん無理無理言ってたのに!!
       どれだけわたくしをいじめたら気が済むんでしょうかねッ!
       ……おっと、劇の冒頭から申し訳ありません。
       幕が開いたからには、仕事をしないわけにはまいりませんね。失礼をいたしました。
       えー、ご来場の皆様!
       初めての方は初めまして!
       二度目三度目四度目五度目の方はお久しぶりでございます。
       わたくし、なぜかまた物語の語り手を仰せつかりました、
       どうぞよろしくお願い申し上げます!」

長男豚   「ぶーぶーブーブー!」(三匹一斉に)
次男豚   「ぶーぶーブーブー!」
末子豚   「ぶーぶーブーブー!」

語り手   「!?!? 待って!! ちょっと待って!!」

長男豚   「ぶーぶーブーブー!!」(三匹なおも継続して)
次男豚   「ぶーぶーブーブー!!」
末子豚   「ぶーぶーブーブー!!」

語り手   「ストップTHEブーイング!!!」

長男豚   「(黙る)」
次男豚   「(黙る)」
末子豚   「(黙る)」

語り手   「アリガトウゴザイマス。
       ご来場の皆様には重ね重ね申し訳ありませんが、ちょっとお時間くださいね。
       あのぅ……なぜに物語が始まる前にブーイングが始まってしまったんでしょうか。
       わたくし、何かご出演の皆様のご機嫌を損ねるようなこと、申しましたでしょうか……」

長男豚   「いや」

次男豚   「まったく」

末子豚   「そんなことないよ」

語り手   「じゃ、じゃあどうして……。
       もっもしかしてっ、仲間はずれにされてるのでしょうか……。
       お前なんか語り手として認めねーよウゼーよ消えろ的な
       心の底から皆様に嫌われてるとかそういう……
       ああ言っててどんどん嬉しk、じゃなかった悲しくなってくるううう」

長男豚   「何を言ってるんだ、童話を語る同志にそんなことするわけないだろう」

次男豚   「何か一瞬アブナイ展開が浮かんだんだが、緊張して言い間違いしただけだよな?」

末子豚   「あのね語り手さん。ボクたち、盛り上げようと思っただけなんだ」

長男豚   「そうそう、俺達なりに精一杯考えて、なあ?」

次男豚   「それをブーイングととられるとは……」

末子豚   「ちょっと悲しいです」

語り手   「盛り上げようと?
       あっ、あーーーーー!!
       なるほどなるほど! もう役に入っていた、ということですか!?
       大変申し訳ございません! わたくしが浅はかでございました!
       ……神経過敏になってるのかなぁグスン」

長男豚   「誰にだって間違いはあるさ」

次男豚   「気にしない気にしない!」

語り手   「ああっ優しい言葉がしみるぅっ!
       ありがとうございます!
       そ、それでは長らくお待たせいたしました。改めまして開演いたしましょう。
       えー! むかしむかし、あるところに、三匹の子ブタがおりました」

長男豚   「やあ、ボク長男だよ、ハハッ☆(夢の国の鼠風に)」

語り手   「えっ」

長男豚   「とりあえず同居は必須かな。家事もしっかりやってね、期待してるよ。
       まだ母さんが元気だから、出産のときのサポートもできるし、
       わざわざ実家に帰らなくてすむから、体への負担もないよね?
       とはいえそろそろ母さんに楽もさせてあげたいから、農作業の手伝いを頼みたいんだけど、
       母さんもずっとやってきてるから平気だよね。
       うちの畑は広いから、結構稼いでるし、楽な生活させてあげるネ!」

語り手   「何ですかこの農家の長男みたいな自己紹介。
       夢の国を装った地獄への招待状なんて誰も受け取りませんよ!」

次男豚   「おっすオラ次男!」

語り手   「は!?」

次男豚   「俺は結構自由に生きてきたカンジだな。
       母さんはアニキにべったりだからよ。
       女の考えそうなことだ。だが、俺は俺の道をいく。誰の指図も受けない!」

語り手   「わかりやすいネタとわかりにくいネタを混ぜての自己紹介ありがとうございます。
       個性的な次男さんですね。ええ、そういうことにしておきます。
       さてお次は末っ子の……」

末子豚   「チョコになっちゃえーーーーー!!!!」

語り手   「それはマズい!!
       ブウ違いっていうか、なんていうか!
       確かにあっちの魔人さんもピンクで豚っぽいけどもそうじゃないでしょう!!
       次男さんのネタに乗っかりすぎっていうか、もはやそれ自己紹介じゃないし!!」

オォカミン  「ふふふ、いいじゃないの」

語り手   「あっあなたは……」

オォカミン  「うちの子たちはみんな個性的で、いい子達でしょう?」

語り手   「ええ、まぁ。でも一番個性的なのはお母さまでは……」

オォカミン  「あら、どういうことかしら」

語り手   「アナタ、赤ずきんの時に出てきた、お母さんとおばあちゃんの二役、
       まるで【ママン婆】の二番煎じのような……いやこれは失言ですね申し訳ない」

オォカミン  「ほほほ。いいのよ。
       まぁ、正直これを名乗るのは勇気がいるわ」

語り手   「お母さんの出番は最初で終わっちゃいますし、
       それを考えるとこのかぶり役は妥当っちゃ妥当のような気もしますけど……」

オォカミン  「でしょう? 
       でもさすがにこの名前はねぇ。
       まぁ、そのうちわかるでしょうから今は自己紹介しないでおくわ。
       先に進めてくださる?」

語り手   「了解いたしました。
       えー、ある日、お母さんが三匹の子ブタを集めて、こう言いました」

オォカミン  「あなた達、いつまでも親に甘えているわけにいかないでしょう。
       そろそろ自立してちょうだい」

長男豚   「毎日ごはんを食べに来てもいいなら出ていくよ」

次男豚   「毎月おこずかいを20万くれるなら出ていくよ」

オォカミン  「あなたたち……」

末子豚   「ねぇママ、自立って、家を出るってことだよね?
       じゃあこれから住むところはどうすればいいの?」

オォカミン  「……今まであなたたちをとっても甘やかして育てちゃったから
       お母さん、今とても反省しているのよ。
       獅子は自分の子を谷に落としてよじのぼってきた強い子だけを育てるというでしょう!?
       お母さんもそうしようと思って」

長男豚   「どういうことだ?」

次男豚   「獅子の子落とし、日本の古典文学【太平記】だよ」

末子豚   「獅子の子ってボクたちブタだよーー?」

オォカミン  「つべこべいわない!!
       ……いいこと?
       自分の力で家を建てなさい。男たるもの一国一城の主になってこそ一人前よ!」

長男豚   「……なにそれどんな無茶ぶりだよ。
       建築士の資格持ってるわけでもねーのに家なんか作れるかよ」

オォカミン  「やいやいやいやい言ぃな!
       よそはよそ! うちはうち!」

語り手   「早くもお母さんのキャラがブレた!
       いつから大阪のオカンになったんでしょう!!!
       まぁ、話は一応進んでおりますからこれ以上は何も申しませんけどォ」

次男豚   「家を建てろ、か。なんか、織田信長みてぇだな。
       オレらに秀吉になれってことかよ」

末子豚   「おだのぶなが? ああ、野望達成の一歩手前でハゲの部下に裏切られて死んだ詰めの甘い人?
       ひでよしは、そのかたき討ちしたお猿さんだっけ!」

長男豚   「お前ガキのくせによく知ってんなあ」

末子豚   「えーとね、動画サイトでみたよ!
       ちょっと前に流行ったよね、本能寺の変!!」

語り手   「ああエグスプロージョン……!
       ってことは末っ子くんの夢はもしかして?」

末子豚   「ユーチューバーにっ、オレはなるッッ」

語り手   「やっぱりーー……!」

長男豚   「で、それよりどういうことだよ、信長とか秀吉とかって」

次男豚   「信長が美濃を攻める際にな、墨俣(すのまた)っていう場所がポイントだったから、
       そこに城をたてちまえと秀吉に命令したんだよ。
       秀吉は見事に一週間で城を作りあげた……そんな逸話があってだな」

末子豚   「さっすがオニーチャン! 物知りー!」

長男豚   「つまり、いきなり家を建てろと言われても、
       俺らは秀吉じゃねーんだ無茶言うな、って言いたいのか次男は?」

次男豚   「That's right!」

長男豚   「わかりにくい……」

次男豚   「そいつは失礼」

語り手   「と、とにかく!
       お母さん豚からそう言われた3匹の子ブタは、
       家を建てることになりました。
       えーーー、一番上のお兄ちゃんは、ワラの家を作ることにしました」

長男豚   「とにかく雨が凌げて寝られりゃいいんだ、さあワラを集めるか」

末子豚   「ワラって大変だよ?
       秋に収穫した米や麦の茎の部分を、乾燥させて作るんだから……」

長男豚   「ふん、そんな面倒くせえことするかよ。
       はいこれをお聞きのリスナー諸君!
       コメントしろーー!! 笑えー!! 草をはやすんだーーー!!!!」

次男豚   「兄貴!! リスナー任せってそんなんアリかよ?!
       コメントがなかったらそもそも成立しないぞそれは!」

長男豚   「知ったことか! 藁コメ来たテイで続行だゴルァ!!
       藁を集めて……まとめて……ほーら完成。
       ま、こんなもんだろ」

オォカミン  「あらあら強引。困ったものねぇ」

語り手   「一方、次男の子ブタは、木の家を作ることにしました」

次男豚   「男はやっぱり手作りのログハウスだろ!!」

末子豚   「ログハウスなんて、それもかなり手間がかかるよー?」

次男豚   「そこは腕のみせどころ。
       時短テクニックとして、ここにある四角に並んだ木の間に板を打ち付ければあら不思議!
       見た目立派な木の家の完成だっ!!」

長男豚   「……屋根がねえぞこの家、葉っぱの隙間から雨漏りすんだろ絶対」

オォカミン  「んー……要領はいいんだけど、どうも抜けてるのよねこの子は」

次男豚   「自分の才能が怖いな。はっはっは」

語り手   「えー、そして末の子ブタは、ワラでも木でもない、レンガで家を作ることにしました」

末子豚   「まずは水辺で粘土を採取して……
       昔は粘土がレアだったけど、今は簡単に見つかるからありがたいね〜。
       粘土をかまどで焼いたらレンガ完成っ、これをクラフトすればレンガブロック―!
       さーていくつ使うかなー!
       あっかまどもたくさん作っておかないと! 丸石丸石ー!」

長男豚   「……おい、俺でもわかるぞそのネタは」

次男豚   「どこぞのサンドボックスゲームだな」

オォカミン  「末っ子なのに、たくましく育ってくれたわねえフフフ」

末子豚   「だいぶ時間はかかったけど……でーーきたーーーー!!」

オォカミン  「ちゃんちゃんちゃんちゃんちゃーん……
       (♪ビフォーアフターBGM『TAKUMI/匠』を口ずさんで)
       何ということをしてくれたのでしょう。
       ……寒々しい更地だった空間に、小さくとも立派な三軒の家が建ち並びました。
       風通しがよく、暑い夏には最適のワラの家。
       通気性と断熱性の両方を兼ね備えた、木の家。
       気密性に優れ、寒い冬も怖くない、レンガの家。
       もうこれでお母さんに苦労をかけないで済みます。
       これからはこの三軒の家で、兄弟3人快適に過ごせることでしょう……」(ビフォーアフターナレ風に)

語り手   「ん!? あれっ!?
       あのっ、これで話終わっちゃうような雰囲気ですけど!?」

オォカミン  「やっぱり終われなかったあああ!! 俺たちの戦いはこれからだあああ!!!」

語り手   「なに銀魂みたいなこと言ってるんですか!!!」

オォカミン  「だって。
       私銀さんが大好きなんだもの」

語り手   「……そ、そうですか……。
       あの、では、次の出番の為にそろそろ……」

オォカミン  「そうね。衣装を変えなくては……」

語り手   「そーですね、オォカミンさん! あ、言っちゃった」

オォカミン  「……ほんとね、台本開いてる人にしかわからないわよねこれね。
       おおかみん の おかん だけ大文字で、他は小文字……。
       オカンを大文字で強調しているのはわかるけど、
       オオカミン、だなんてドリンク剤みたいな名前、ほんと嫌よ!」

語り手   「心中お察しいたします。
       しかしこれから、優しいお母さま役から一転、お腹をすかせた狼役ですから、
       どうか頑張ってください!」

オォカミン  「ええ……そーね……」

語り手   「えー、自分たちのおうちができて、三匹の子ブタはとてもごきげんでした。
       そこに、山に住んでいる悪いオオカミがやってきたのです」

オォカミン  「あー……腹へったな……。
       ん? あそこに見慣れねえ家がある……
       あの子ブタの兄弟たちの家か!!
       そうか、あんなにちっこかったやつらも、もう独立か……!」

語り手   「あれっまだお母さん役が抜けてない……?」

オォカミン  「へっへっへ、まるまるおおきくなりやがって……
       この俺様の空腹を満たすために、ありがとなァ……(舌なめずり)」

語り手   「おおお、さすがですね。
       えー、狼は、子ブタたちを食べようと、それぞれの家を訪ねました」

オォカミン  「このワラの家は、一番上のお兄ちゃん豚だなー?
       狼が遊びにきたぞー、でてこいよー!」

長男豚   「狼だと!? そんなフレンドリーに言ったところで誰が出ていくものか!!
       さっさと帰れ!!」

オォカミン  「おいイソノー野球やろうぜー!」

長男豚   「オッケー中島!」

オォカミン  「捕獲完了。フッ他愛もない……」

語り手   「えーーーーっ!!!
       家を吹き飛ばすくだりはないのーーー!?!?!?!
       三匹の子ブタって見どころはそれじゃないのーーーーー?!?!?!
       てか、それでお兄ちゃん素直に出ていっちゃうのーーー!?!?!」

オォカミン  「じょうずに焼けましたー!!」

語り手   「そしてもう焼いちゃったの――!?」

長男豚   「まてまてまて!!
       こんな短時間で焼けるわけないだろうゲームじゃあるまいしっ!
       俺まだ火のそばで待機してっから!!
       このままだと焼かれちゃうけど!! まだかろうじて生きてるから!!」

オォカミン  「……さ、次ね」

語り手   「……うーん、ここでこれを言っていいものかわかりませんが、
       今回のお話、童話シリーズ恒例の歌もほとんどでてきませんし、
       ネタを詰め込んではいますが、一応話の展開は崩さない……
       なんとなく今回は一応童話としてまとまるような気がしてきました……!」

オォカミン  「木の家は、二番目か。
       おーーーい狼が遊びにきたぞー、でてこいよー!」

次男豚   「狼め、兄貴を食べただけでは足りないというのかっ!!」

オォカミン  「次はお前だ、豚でてこーーい!!!!」

次男豚   「くっ、それはかなり危ないところからネタを持ってきたな!
       残念ながら俺は赤い飛行機には乗ってねえ!」

オォカミン  「まっくろくろすけでーておーいでーーー!!!」

次男豚   「アウトだっつってんだろーーーーーーーーーー!!!!」

オォカミン  「捕獲完了! ……ツッコミを我慢しきれなかったお前の負けだ」

語り手   「あーーーっと……木の家もまるっとシカトして……
       狼は、次男の豚も捕まえてしまいましたーーー!!」

オォカミン  「……ウルトラ上手に、焼っけましたー!!」

次男豚   「狼それが言いたいだけだろう!! もう普通にモンハンやってこいや!!
       おい弟おおお俺たちを助けてくれえええ!!」

末子豚   「ふええ……お兄ちゃんたちが食べられちゃったよおっ……!」

長男豚   「まだ生きてる!!」(二匹同時)
次男豚   「まだ生きてる!!」

オォカミン  「さあ……ラスト一匹ーーー!!!」

末子豚   「ううう……」

オォカミン  「さて、最後は一番賢い末の子ブタか……」

末子豚   「ボクは絶対に外に出ないぞっ!!」

オォカミン  「出ておいでよ、一緒に遊ぼう!」

末子豚   「絶対お断りですっ!」

オォカミン  「……うーん困ったわね。
       たぶんこの子は何をやっても出てこない気がするわ」

末子豚   「当たり前ですっ! 食べられるのはいやだっ!!」

オォカミン  「仕方がないわ。
       あーあーあー!!
       あーえーいーうーえーおーあーおー!!(おもむろに発声練習)」

語り手   「なぜに発声練習……ハッまさか!」

オォカミン  「そのまさかよ……こうなったら実力行使するまで!!
       ♪ギリギリでいーつも生きていたいからーーさあ〜〜♪」
        (♪ KAT-TUN/Real Face アタマ)

語り手   「やっぱり歌キターー!!
       あれっこの曲の歌詞はまさか!! 末っ子大ピンチ!?!?」

オォカミン  「♪思いっきりぶーーちやぶろおおおおおおおおおおおおお!!!!!♪」
        (♪ KAT-TUN/Real Face アタマ ↑の続き)

末子豚   「♪ああああああああああああああ〜〜〜」
        (♪ KAT-TUN/Real Face アタマ ↑の続き)

次男豚   「恐怖を赤西(脱退後は上田パート)のフェイクで表現しつつも見事に歌で返した!!」

長男豚   「でもレンガの家なのに扉が破られてしまったぞ」

次男豚   「それはほら、どんな素材で作ろうが、ゾンビが木のドアをぶっこわす的なあれじゃね?」

長男豚   「やっぱ鉄の扉が必要か……」

語り手   「いやいやマイクラの世界じゃないからねこれね!」

末子豚   「ボクは負けないっ……お兄ちゃんたちを助けるんだッ!!
       ♪ここをー今飛ーびだーしてーーーいこーーーーぜ!!!♪」
        (♪ KAT-TUN/Real Face サビなかば)

オォカミン  「なっ……まさかのサビに繋げて家から逃げるなんて、やるわね……!!
       でも大人の足にかなうと思ってるの!?
       絶対捕まえるわ!!
       ♪きばってこーーーーぜ! いぇいいぇいいぇい!!♪」
        (♪ 関ジャニ∞/ズッコケ男道 サビ)

末子豚   「♪振り切ってこーーーぜっほらっ ぶんぶんっ!!!♪」
        (♪ 関ジャニ∞/ズッコケ男道 サビ↑続き)

長男豚   「あいつすげえ……逃げてるぞ、追っ手を振り切ってる!!」

次男豚   「これは狼の選曲ミスに助けられたな!!」

語り手   「わーー……もう家がふきとぶとか関係なーい……
       おいかけっこですってー……
       やっぱりこのシリーズまともじゃなーーーい!!!!!!」

長男豚   「恒例だけど、語り手が語りを放棄しだしたぞ」

次男豚   「がんばれ弟、俺たちの命はお前にかかっている!!」

末子豚   「わかりました!!」

オォカミン  「まーーてーーーー!!!」

末子豚   「まちませーーーん!!!」

オォカミン  「まちなさーーーーい!!!」

末子豚   「いやでーーーす!!」

語り手   「っほらもう収拾がつかなくなってきたあああ。
       本当はレンガの家が吹き飛ばなくて狼が煙突から入ろうとして鍋にインしちゃって
       あっつーーいごめんなさーーいって話だよねええええええ!?!?!?
       これからどうするんですかあああああああああ!!」

オォカミン  「ま……ち、な……さ、いっ……はぁっ はぁっ」

末子豚   「いっ やっ でっ すっ」

オォカミン  「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

末子豚   「ぜー、ぜー、ぜー、ぜー」

長男豚   「……いつまで走ってんだろうな」

次男豚   「……さぁ」

オォカミン  「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

末子豚   「ぜー、ぜー、ぜー、ぜー」

長男豚   「……ほんっといつまで続くんだろうな」

次男豚   「まさか三時間も走り続けるなんて、誰も思わなかったよな」

長男豚   「……なんかさ」

次男豚   「ん?」

長男豚   「……夏の風物詩的なあの番組の企画を思い出す」

次男豚   「あー……なんかわかる24時間のあれだろ」

長男豚   「こんだけ一生懸命走ってると、な」

次男豚   「うんうん。ボランティアがどーの、募金がどーのとかどーでもよくなってきて、
       応援したくなる的な」

長男豚   「いや、俺いつもはダッセーとしか思わねえ」

次男豚   「あっそう」

長男豚   「でも……今回は、さ……走ってほしいじゃん」

次男豚   「まぁ……命かかってるからな俺たち!!」

オォカミン  「いい、加減、覚悟、決めて、止まりな、さいっ」

末子豚   「絶対、いや、ですっ」

長男豚   「♪ふとした瞬間に〜視線がぶつ〜かる〜……」
        (♪ ZARD/負けないで 冒頭)

次男豚   「♪しあわせの〜ときめき〜覚えている〜でしょ〜……」
        (♪ ZARD/負けないで 冒頭続き)

長男豚   「……最初から歌うと、なんか俺たち兄弟にホモォなフラグがたってそうであれだな」

次男豚   「この作者の台本だしな。……飛ばすか、サビいこうぜ」

長男豚   「♪負けないで もう少し 最後まで 走り抜けて」
        (♪ ZARD/負けないで サビ)

オォカミン  「あの子たち……」

次男豚   「♪どんなに離れてても心はそばにいるわ」
        (♪ ZARD/負けないで サビ続き)

末子豚   「お兄ちゃん……!」

オォカミン  「♪……追いーかけて遥かな夢を〜〜」
        (♪ ZARD/負けないで サビ続き)

末子豚   「えっ!?」

オォカミン  「……あなたたちの成長が嬉しくて、つい……お母さんに戻っちゃったわ」

末子豚   「ママ……!」

語り手   「な、なんという感動的な展開でしょうか……。
       これは親子のすばらしい愛情物語だったのですね……!
       がんばれーーっがんばれーーーーっ!!!」

オォカミン  「♪負けないでーほーらーそこにー
       ゴールはちーかーづいーてるー
       どんなに離れてても 心はそーばーにいーるわー
       かんーーーーじーーーてーーーねみーーつーーーめーーるーーーひーーーとみーーーー!」
        (♪ ZARD/負けないで サビ更に続き)

長男豚   「ママ―!!」(三匹同時)
次男豚   「ママ―!!」
末子豚   「ママ―!!」

オォカミン  「……はい、捕獲完了!」

長男豚   「え」(三匹同時)
次男豚   「え」
末子豚   「え」

オォカミン  「だめよ、最後まで気を抜いちゃ。
       ということでぇ、みんなまとめていっただっきまーーーーーーーーーーす!!!!!!」

長男豚   「ギャーーーーーー!!!!!!!!!」

次男豚   「ギャーーーーーーー!!!!!!!!!」

末子豚   「ギャーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

語り手   「どうしてこうなるのーーーーー!!!!!
       うううう……みんな食べられちゃうなんてなんてひどいお話なんだっっ!
       めでたしめでたしで終われないじゃないですかあああ!!!
       ……あれっ……オォカミンさん……?
       あの……わたくしの隣で一体何を!?」

オォカミン  「みんなまとめて、って言ったでしょう?
       あなたもだから。いただきます♪」

語り手   「フンギャーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」







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