Begonia Lovers −今日は801の日だもんね−

作:早川ふう / 所要時間 10分 / 比率 2:0

利用規約はこちら。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。2016.08.01.


【登場人物紹介】

遥斗(はると)
  年齢は20代前半。可愛い容姿等とは裏腹に肉食系ドSなタチ。昔は結構遊んだ悪い男だった。
  大貴と出会い一途な男に大変身! 同棲して甲斐甲斐しく世話を焼いたりもしている。一応学生。

大貴(だいき)
  年齢は20代後半。カッコイイ容姿をしているが、実は草食系で、恋愛にも流行にも疎い。
  遥斗と出会い色々と目覚めてしまったネコ。一応真面目な会社員。


【配役表】

遥斗・・・
大貴・・・



大貴   「ただいまー」

遥斗   「おかえり……」

大貴   「何だ遥斗、具合でも悪いのか?」

遥斗   「悪くない」

大貴   「暑かったから機嫌が悪いとか?」

遥斗   「機嫌は悪いけど、暑かったせいじゃない」

大貴   「どうした」

遥斗   「うーーーー」

大貴   「どうしたんだよ、そんなにぶーたれて」

遥斗   「大ちゃんさ、キスの日って知ってた?」

大貴   「え? なんだそりゃ」

遥斗   「……今日たまたまツイッターの記念日bot見つけて読んでたんだけどね、
      5月23日って、キスの日だったんだって!!」

大貴   「へぇ、そうだったのか」

遥斗   「不覚……!
      大ちゃんと堂々といちゃいちゃできる機会に気付かなかったなんて!」

大貴   「むしろお前に堂々としていない時なんてあったか?」

遥斗   「大ちゃんの色んなところにいっぱいキスして
      あんなことやこんなこといっぱいしたのになあああああああああああ!!!!!

大貴   「いつだって自重しないで好き勝手するじゃないか……」

遥斗   「とにかくー!
      それを知らなかったことが悔しいのーーーーー!!!」

大貴   「はいはい。来年な。来年いっぱいキスすりゃいいだろ」

遥斗   「うん、そうする」

大貴   「……即答か。まぁいいけど」

遥斗   「でね、大ちゃん。
      同じくツイッターで今日は何の日とか色々見てて知ったんだけど、
      今日何の日か知ってる?」

大貴   「ん? 今日? 八月一日? 何かあったか?」

遥斗   「やおいの日、なんだって!」

大貴   「やおい?? なんだそりゃ」

遥斗   「えーとぉ、やおいっていうのはぁ
      男同士の恋愛に萌えを感じる腐女子たちが愛でている作品のことなんだけど」

大貴   「ふーん?」

遥斗   「やおいを数字で書くと801だから、八月一日はやおいの日!みたいな!」

大貴   「よくわかんないけど、それと何か関係が?」

遥斗   「もうっ大ちゃん鈍いんだから!
      だからぁ、全国の腐女子たちの為に、僕たちがいっぱいいちゃいちゃする日!
      っていうわけで、いちゃいちゃしたい!!!」

大貴   「んな強引な!!!
      俺今帰ってきたばっかりなんだけど……」

遥斗   「ほらぁ! ここはさぁ、
      『お帰りなさい! ごはんにする? お風呂にする? それともボ・ク?』
      って言って、『じゃあ遥斗で』っていう流れでいちゃいちゃしよう! ね!?」

大貴   「いや、ね!?って言われても……汗かいてるし、普通に風呂入りたいよ。
      腹だって減ってるし、飯食ったあとじゃだめなのか?」

遥斗   「むーーーーーー!!!!」

大貴   「むくれるなって!」

遥斗   「冷たい」

大貴   「はあ?」

遥斗   「大ちゃん冷たいー!!!」

大貴   「おま……、あのなぁ、暑い中仕事で疲れて帰ってきた恋人に、
      風呂も飯もダメっつってる遥斗の方が冷たいだろ!!!!」

遥斗   「何それ。僕が悪いの!?」

大貴   「最近遥斗、小さなことで怒りすぎじゃないか?」

遥斗   「えーっ?」

大貴   「疲れてるなら甘いもの食べろよ。
      ちょうどいいことにアイス買ってきたんだけど食うか?」

遥斗   「えっ、なんでアイス!?」

大貴   「こんなに暑いしさ。食べたくもなるだろ?
      だからコンビニ寄ってきたんだ」

遥斗   「大ちゃんが!?
      甘いものが苦手で、頭痛がするから一口でいいって言ってる大ちゃんが!!
      なんでアイス食べたいとか……えっ……明日雪でも降るの!?」

大貴   「明日はいい天気だ安心しろ」

遥斗   「なんでアイス買ってきたの!?
      ねぇなんで?!」

大貴   「だから食いたくなったんだって……
      夏限定フレーバーがあったから買ってきた」

遥斗   「あっ、珈琲バニラだ!
      これだったら大ちゃんでも全部食べられるよきっと。
      甘すぎないからこれ」

大貴   「なんだ、もうチェック済みか」

遥斗   「そりゃあね。
      でもダブルフロマージュはまだ食べてなかった!
      あとはー?
      ……ああああパルムのザ・オランジェット!!!
      これ探してたんだーーーーーーーーー!!!
      なんでなんでー期間限定モノばっかりー!!」

大貴   「期間限定って今だけしか食べられないんだろう?
      だったらそれがいいかなって」

遥斗   「うーーーーん……そっかぁ〜」

大貴   「……だめだったか?」

遥斗   「だめじゃないけど……。
      大ちゃんが甘いもの食べたくなってることに気づかなかった自分に
      ちょっとだけ腹がたってるだけーー!」

大貴   「なんでだよ……」

遥斗   「大ちゃんのことは、全部知っていたいもん!」

大貴   「はは、大げさ」

遥斗   「僕本気だよ?
      大ちゃんのことは、僕が全部知っていたいの。
      大ちゃんが気付かないことまで全部全部。
      ……僕の独占欲の強さナメちゃ困るな〜」

大貴   「んー……アイスに関しては完全に気分だからな。
      俺が一口しか食べられなくても、
      遥斗がいるからいいかって思ってる部分はあるし」

遥斗   「僕がいるから?」

大貴   「そうだよ」

遥斗   「そっか。……じゃあちょっとだけ機嫌なおす」

大貴   「まったく……」

遥斗   「一緒に暮らしてても、全部把握できるわけじゃないからなぁ。
      悔しいよ」

大貴   「不機嫌だの悔しいだの今日の遥斗はどうしたんだよ」

遥斗   「……」

大貴   「……俺は遥斗に何も隠し事なんてないし、つーか俺は俺だし。
      いつでも、いつまでも遥斗のそばにいるし。
      ……それじゃだめなのか?」

遥斗   「だめ。足りない」

大貴   「そっか……」

遥斗   「……ふふ、そんな困ったカオしなくていいよ。
      大ちゃんが悪いわけじゃないんだから」

大貴   「でも……、遥斗を不安にさせたんだろう?
      ごめん」

遥斗   「あはは!
      そこで謝っちゃうから大ちゃんなんだよなぁ。
      ほんと、悪い虫がつかないか心配だよー」

大貴   「その心配はいらないと思うけどな。
      俺は別にモテないし」

遥斗   「……うーん。
      それは違うよ」

大貴   「そうか?
      ……とにかく、このアイス、冷凍庫に入れてもいいか?
      溶けるだろ、てかもう溶けてるんじゃないか……」

遥斗   「アイス……。
      僕……いいこと思いついたーーーっ」

大貴   「ん? ……いや、あの、だから、溶ける……」

遥斗   「大ちゃん、おいでおいで?
      僕のお願いきいてよー」

大貴   「お前がそのカオしてる時ってろくなことにならない気がするんだが」

遥斗   「そんなことないよ」

大貴   「着替えもしないでシャワーも浴びないでベッドにおいでって
      嫌な予感しかしないだろう」

遥斗   「だーいじょーうぶっ☆」

大貴   「……アイスを冷凍庫にも入れないのか……?」

遥斗   「だって、せっかく買ってきたんだから食べないと」

大貴   「そりゃ食うけど」

遥斗   「……ふふん」

大貴   「……?」

遥斗   「(激しく口付ける)」

大貴   「!? んっ……ふ、……ぁ……んっ……
      は、遥斗!? んっ……う……なにを……」

(ネクタイをはずされ手を後ろで縛られる)

遥斗   「(唇を離して)ぷはぁ、へっへへー、毎度ごめんね大ちゃん」

大貴   「だからこうやって縛る必要性は!!」

遥斗   「縛るのキライ?」

大貴   「キライとかそういうことじゃなくて……
      着替えとか風呂とかそういう……」

遥斗   「今日はやおいの日なんだから、思いっきりいちゃいちゃするよ!」

大貴   「……思いっきりって……」     

遥斗   「ね?」

大貴   「……だから縛る必要性……」

遥斗   「あそっかぁ。縛ってたらせっかくのアイスも食べられないね。
      じゃあ僕が食べさせてあげる!」

大貴   「おい……」

遥斗   「ほら、大ちゃんっ、口あーけてっ」

大貴   「遥斗」

遥斗   「あーん」

大貴   「ふ、普通に食わせてくれよ」

遥斗   「……そういうこと言うんだ」

大貴   「っ……」

遥斗   「……言うこと聞いてくれないんだったら、
      僕も大ちゃんの言うことは聞かないからね。
      大ちゃんが悪いんだよ?
      ……大ちゃんが、悪いんだからね?」

大貴   「はる、と……っ」(目をそらす)

遥斗   「まずはー……どれからがいい?
      珈琲バニラからいこうか。
     (一口食べて)うん、美味しい。
      ほら、食べさせてあげるからこっち向いて?」

大貴   「っ」

遥斗   「はい、あーん」(舌の上にアイスをのせながらなので、ちょっとこもる)

大貴   「あーんって、口移しするつもりか? ……んっ……」(口付けられる)

遥斗   「ん…………どう?」

大貴   「どうって、わかるかこんなんされて味なんか!」

遥斗   「じゃあ次いこっか。
      次はダブルフロマージュかな〜」

大貴   「やめろ……」

遥斗   「ん! がっつりチーズ! おいしーーい!!
      ほら大ちゃんも!」

大貴   「んぅ……んっ……」

遥斗   「美味しいでしょ」

大貴   「わかるかって……んあっ、おいっアイス垂れてる!!」

遥斗   「たらしてるの!
      冷たいでしょ? ……こういうのちょっと気持ちよくない?」

大貴   「ベッドが汚れるだろっ……」

遥斗   「……もーー、大ちゃんムードなーい。
      これからいっぱい大ちゃんので汚れるからいいんです。
      あっそーだ!
      パルムだけ冷凍庫いれてこよっと」

大貴   「え?」

遥斗   「溶けちゃったら困るし」

大貴   「この上さらに何を企んでるんだ」

遥斗   「僕が大ちゃんに挿れたあとで、大ちゃんにパルム咥えさせるの。
      疑似3Pみたいでちょっと興奮しない?」

大貴   「おっま……」

遥斗   「さー、いろいろいーーーっぱいシようね〜〜!」

大貴   「うわあああああああ…………」









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