Begonia Lovers −にゃんにゃんにゃん!−

作:早川ふう / 所要時間 5分 / 比率 2:0

利用規約はこちら。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。2018.02.22.


【登場人物紹介】

遥斗(はると)
  年齢は20代前半。可愛い容姿等とは裏腹に肉食系ドSなタチ。昔は結構遊んだ悪い男だった。
  大貴と出会い一途な男に大変身! 同棲して甲斐甲斐しく世話を焼いたりもしている。一応学生。

大貴(だいき)
  年齢は20代後半。カッコイイ容姿をしているが、実は草食系で、恋愛にも流行にも疎い。
  遥斗と出会い色々と目覚めてしまったネコ。一応真面目な会社員。


【配役表】

遥斗・・・
大貴・・・



遥斗   「ふんふんふ〜ん♪(鼻歌)」

大貴   「いやにご機嫌だな。何かあったか?」

遥斗   「へっへへー!
      キスの日の時はさ、あとから知って悔しい思いをしたけど、
      今日はさすがに忘れないもんね〜〜〜っ」

大貴   「……今日?
      普通の平日だろ?」

遥斗   「うっそ大ちゃん本気で言ってる!?
      これはさすがに小学生でも知ってると思うんだけど!!」

大貴   「えっ」

遥斗   「今日はァ、二月、二十二日!」

大貴   「そうだな、二月二十二日、ついでにいえば木曜日。
      プラスチックごみの日だ」

遥斗   「そのついでは今は置いといて」

大貴   「お、おう」

遥斗   「で!
      漢字じゃなくてぇ、数字で日付をイメージ!
      わかる?! 2が3つ並んでる日なんだよ!」

大貴   「……スリーセブン的なラッキーナンバー?」

遥斗   「ちょっと違うんだな〜」

大貴   「そういや、俺が大学生の頃にハマったエヴァパチでは
      下段の2は確定でさー、しかし確変じゃないからやきもきしてたなあ」

遥斗   「……大ちゃんが昔パチンコやってたのってすごい意外だった」

大貴   「そうか? ゲーセン感覚だったんだよな」

遥斗   「エヴァもパチンコも僕全然わかんないし。
      動画みてみたけどー、えっと、確かその下段の2って、
      もっさい男じゃなかったっけ?
      ああいうのが大ちゃんのタイプなのー?」

大貴   「いや、俺は1図柄のミサトさんがやっぱり……」

遥斗   「ふーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」

大貴   「うっ、いや、あの、過去だろ過去!!
      アニメのキャラに本気にもならねーし、てか嫉妬するのも違うだろ!!」

遥斗   「べっつにーーー。
      そうだよねーーー。
      大ちゃんもともとストレートだったもんねーーーー!!
      僕がこっちに引きずり込んだだけだもんねーーーー!!
      女ってだけで大ちゃんに好きになってもらえるなんて
      あーーーマジ殺意だわー」

大貴   「……違うだろ。
      女より、他の誰より、遥斗だから好きになったんじゃないか」

遥斗   「……!」

大貴   「俺を落としたって、まだ気にしてたのか?
      あんまり言うと俺だって怒るぞ。
      お前と生半可な気持ちで付き合いだしたわけじゃないんだから」

遥斗   「ずるいな。
      ……そう言われちゃ何も言えなくなるジャン」

大貴   「変なことは言わなくていいんだ」

遥斗   「ほんと、僕にはもったいない人だよ」

大貴   「怒るぞ」

遥斗   「ごめん。大好き、大ちゃん」

大貴   「おう、俺も」

遥斗   「……じゃ、しようか!!」

大貴   「……は!?」

遥斗   「『大好き』『俺も』、この流れはしてもいい流れ!!」

大貴   「なんだそりゃ!」

遥斗   「だめって言われても最初からするつもりだったけどぉ」

大貴   「お前なぁ……バレンタインにあれだけいちゃいちゃしただろう!」

遥斗   「それはそれ!!」

大貴   「……あっそう……」

遥斗   「だって今日は、ネコの日なんだよおおお?!!??!」

大貴   「ネコの日……?!」

遥斗   「2が3つ並んでるから、にゃんにゃんにゃん、
      それでネコの日!!!!」

大貴   「あーーー、そういやなんか聞いたことがあるような……」

遥斗   「ということで、買ってきました!
      じゃーーーーん、猫グッズ!!」

大貴   「……猫グッズ……」

遥斗   「でしょ?」

大貴   「嫌な予感しかしない。
      ドンキで何買ってきやがった……?」

遥斗   「えへへ」

大貴   「…………こ、これは」

遥斗   「猫耳ははずせないでしょ!
      あとは猫の手の形の手袋、これは手錠つきだから結構いいよね。
      首輪はかわいいのなかったから専門店いって買ってきちゃった。
      で、忘れちゃいけないのはしっぽだよね。
      とりあえず用途的に2つにしぼってはみたけど」

大貴   「用途、って……」

遥斗   「だからービーズになってるやつとぉ、
      こっちはバイブだからぐいんぐいん動くのーー」

大貴   「な、生々しい……ッ」

遥斗   「さあ今すぐ試してみよう!!」

大貴   「何を試すんだ何をおお!!!!」

遥斗   「え。イヤ?」

大貴   「この頃、だいぶアブノーマルに走ってないか」

遥斗   「だめ?」

大貴   「だめじゃないけど……別にここまでしなくてもって思う俺は淡白か?」

遥斗   「かわいい大ちゃんが見たいだけだよ。
      貯金結構使っちゃったけど、大ちゃんの為ならいい!!」

大貴   「よくねーだろ!!」

遥斗   「せっかく買ったのにゴミにしちゃうの?」

大貴   「……ものがものだけに返品もできないよな」

遥斗   「そうです。だから使ってあげるしかないのです!」

大貴   「……明日の夜じゃ、だめなんだよな」

遥斗   「だめ!! ネコの日は今日なの!!!」

大貴   「……きつかったら、有休とるか……」

遥斗   「やったあああああああああああっ
      大ちゃん大好きーーーーーーーーーーー!!!」

大貴   「……ったく、ほんと、俺なんかのどこがよくてここまでするんだか……」

遥斗   「僕なんかを愛してくれるのが嬉しいからだよ?」

大貴   「……嬉しいだけか?」

遥斗   「……そんなカオしないで?」

大貴   「俺がお前を好きだからお前は俺のそばにいるのかよ。
      そういう意味に聞こえるだろうが。
      今日少し失言多いぞお前」

遥斗   「ゴメン。そういう意味じゃないよ。
      もうっ可愛いんだから!!
      手加減してあげられなくなるよー?」

大貴   「茶化すな」

遥斗   「……ごめんなさい」

大貴   「……ん」

遥斗   「引かないで聞いてね。
      たとえば神様に赦されなかったとしたらね、
      神様でも殺しちゃえるくらい。
      僕は大ちゃんと一緒にいること、誰にも邪魔されたくない。
      大ちゃんがストレートでも、
      たとえ付き合ってる女がいたとしても、
      絶対奪って僕のものにしたいって思った。
      それくらい。
      僕は大ちゃんを好きになっちゃったんだよ。
      ……だから、僕を選んでくれて、今一緒にいられて
      こんな幸せってないの」

大貴   「……うん。
      俺も幸せ。それでいいじゃないか」

遥斗   「大好き」

大貴   「大好きだよ」

遥斗   「(結構深めに口づける)」

大貴   「ん……ぅ……」

遥斗   「(唇を離して囁く)
      じゃ……いろいろ、しよ。
      ネコの日なんだから。
      いっぱいいっぱい、啼かせてあげる……」

大貴   「馬鹿野郎……」







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