Begonia Lovers −何気ない日々−

作:早川ふう / 所要時間 20分 / 比率 2:0

利用規約はこちら。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。2013.10.09.


【登場人物紹介】

遥斗(はると)
  年齢は20代前半。可愛い容姿等とは裏腹に肉食系ドSなタチ。昔は結構遊んだ悪い男だった。
  大貴と出会い一途な男に大変身! 同棲して甲斐甲斐しく世話を焼いたりもしている。一応学生。

大貴(だいき)
  年齢は20代後半。カッコイイ容姿をしているが、実は草食系で、恋愛にも流行にも疎い。
  遥斗と出会い色々と目覚めてしまったネコ。一応真面目な会社員。


【配役表】

遥斗・・・
大貴・・・



遥斗   「いっただっきまーす」

大貴   「いただきます」

遥斗   「(パンを食べ、カフェオレを飲む)
      んーっ うまー♪」

大貴   「遥斗はいつも美味そうに食うなぁ」

遥斗   「だって美味しいもーん」

大貴   「そうか」

遥斗   「大ちゃんは? 美味しくないの?」

大貴   「美味くないわけじゃないが……普通に食べてるぞ、うん」

遥斗   「それってさ、危ないんじゃない?」

大貴   「え?」

遥斗   「あのね、朝ごはんを美味しく食べられないってのは、
      身体にとっては危険信号なの!」

大貴   「美味くないとは言ってないんだが……」

遥斗   「もしかして、僕の朝ごはんに飽きた?」

大貴   「そんなことあるわけない!
      遥斗の作ったものは世界一美味い!」

遥斗   「じゃあやっぱり身体の調子悪いんじゃ?」

大貴   「元気だから大丈夫だ。
      ……遥斗は時々母親みたいなこと言うよな」

遥斗   「えーーーっ、母親〜?!」

大貴   「しっかりしてるってことだよ」

遥斗   「それじゃあ大ちゃんは?
      お父さんなのかな〜っ?」

大貴   「やめろよ、そこまで老けてない」

遥斗   「なにそれー! 僕と夫婦は嫌なのっ!?」

大貴   「いや、そういうことじゃなくて!」

遥斗   「自分だって僕のことお母さんとか言ったのにー」

大貴   「だって遥斗は、結構、その、……女子力高いと思うから」

遥斗   「女子力ぅ?」

大貴   「何だよ、無自覚か」

遥斗   「女子力高いから母親みたいっていう例えもどうかと思うけど。
      っていうかまず、大ちゃんの口から女子力って言葉が出るとは思わなかったし」

大貴   「いくら俺でもそのくらいの言葉は知ってるよ」

遥斗   「ってことは、知ってて使ってるわけだよね?
      それって褒め言葉?」

大貴   「もちろん」

遥斗   「僕が女の子みたいってことぉ?」

大貴   「いやいやいや、そうは言ってない、けど。
      でも、そこらへんの女の子よりは、よっぽど女らしいと思うし!」

遥斗   「むー、どこらへんがぁ?」

大貴   「まず、顔?
      肌綺麗だし、目も大きいし、毛深すぎないし、髭も薄いし。
      身体だって、線が細いのに、ひょろくないし。
      筋肉だってそこそこついてるから、……綺麗じゃないか」

遥斗   「なんかそうガチで褒められると思わなかった。
      ……ん?
      けどさ、それって女子力っていうより、ただ単に僕の外見の問題じゃないの?」

大貴   「いやいや、それだけじゃないだろう」

遥斗   「じゃあ何が女子力なのさー」

大貴   「料理うまいし、家事全般得意じゃないか。俺、色々教えてもらっただろ」

遥斗   「まぁねっ。僕結構尽くすタイプだしー」

大貴   「それにあれだ。甘いもの好きじゃないか」

遥斗   「えー、それ女子力なのー?」

大貴   「俺と比べてみろって」

遥斗   「大ちゃんと?」

大貴   「俺達、いつも朝はパンじゃないか」

遥斗   「そうだね」

大貴   「で、このテーブルを見てみろって」

遥斗   「何かおかしいかな?
      あ、このランチョンマット? 新しくなったの気付いてくれた?」

大貴   「いや、それは……」

遥斗   「僕のがピンクでぇ、大ちゃんのが、黄緑っ。
      これ可愛いでしょ〜、へへー!」

大貴   「いや、そうじゃなくて」

遥斗   「可愛くない?」

大貴   「可愛いって! ……その、いつも綺麗にメシとか弁当とかやってくれるし、感謝もしてます」

遥斗   「ふっふふーん、どういたしましてー」

大貴   「で! 俺の言いたいことはそういうことじゃなくてだな」

遥斗   「どういうことー?」

大貴   「たとえば、俺のコーヒーはブラック。遥斗は?」

遥斗   「カフェオレ! ミルクも砂糖もたーっぷり!」

大貴   「俺のトーストは、バター。遥斗は?」

遥斗   「マーマレード! はちみつレモンとかでもいいよね! りんごジャムもいいなぁ〜」

大貴   「俺のヨーグルトは普通のか、アロエ。遥斗は?」

遥斗   「いちご! もしくはブルーベリー、でも白桃も食べたいー」

大貴   「……な?」

遥斗   「待って! "な?"の意味がわからないんだけど!」

大貴   「チョイスが女子っぽい」

遥斗   「別に意識してるわけじゃないのになぁ」

大貴   「そうだよな、遥斗基本甘党だもんな?」

遥斗   「甘いのだーーい好きっ」

大貴   「ほら、そういうとこ。
      俺からすれば、じゅうぶん可愛い……」

遥斗   「可愛い? ……ふーーーん。そういうこと言うんだ……」

大貴   「だってそうだろ。
      俺、基本甘いのだめだし」

遥斗   「そうだよねぇ、大ちゃん甘いのダメすぎるよねぇ。
      それはねぇ、ほんっと人生の半分は損してると思うよー」

大貴   「損なんかしてないって」

遥斗   「甘いの食べると頭痛くなるとか、意味わかんない」

大貴   「……だからそういう発言がいちいち女の子みたいなんだって」

遥斗   「でもねぇ。僕らみたいなのは、そういうの結構普通なんだよ?」

大貴   「そうなのか?」

遥斗   「可愛いものが好きだったり、ピンクや赤が好きだったり、
      おしゃれやインテリアにこだわったりね。
      そんじょそこらの女に負けてるようじゃ、ゲイはつとまらないもん!」

大貴   「そういうものなのか……すごいな」

遥斗   「だーって、僕は小学校の時にはもう自分がゲイだっていう自覚あったからさ」

大貴   「そうだったよな。
      つか、遥斗は早いよな。俺は最近まで自覚なかったのに」

遥斗   「大ちゃんはノンケだったもんね〜?」

大貴   「いや、まぁ、なんていうか、別に女にもそんな興味なかったんだから……
      元からこうだったんじゃないのか?」

遥斗   「淡白ー。今流行りだからって草食すぎるーぅ」

大貴   「はは、遥斗は肉食だもんなあ」

遥斗   「もっちろーーーん。
      美味しそうなヒトを見つけたらぁ、誰かに奪られる前に、手をつけまーーっす」

大貴   「遥斗は人見知りしないもんな、初対面の時も平気で俺に話しかけてきたし」

遥斗   「大ちゃん人見知りだもんね〜?
      おかげで悪い男に騙される前に僕のものにできたけど」

大貴   「別に、俺そこまで騙されやすくないぞ?」

遥斗   「いーや、騙されやすいね!
      僕が悪い男だっていう自覚ないでしょー?」

大貴   「遥斗が? 悪い男? ……いや、ないだろ」

遥斗   「ほらこれだぁ。
      大ちゃんお人よしだし、見る目ないし、
      絶対悪い男に騙されて、ボロボロにされて捨てられちゃうタイプだよ!」

大貴   「遥斗は、悪い男なのか?」

遥斗   「大ちゃんと出会う前まではね。悪い男だったと思うよ」

大貴   「でも、今は違うだろ」

遥斗   「まぁね。僕大ちゃんのこと好きになっちゃったし!
      こんな純粋なヒトで遊ぶなんてできないよ。
      僕が一生守って、大事に大事に愛してあげるの!」

大貴   「はは、うん、俺も。ずっと愛してるよ」

遥斗   「へっへっへー」

大貴   「……なんか、照れるな」

遥斗   「そう?照れてる大ちゃんかーわーいーいー!」

大貴   「可愛くないって…遥斗じゃないんだから」

遥斗   「もお、さっきから僕のこと可愛い可愛いってそればっかり!」

大貴   「でも、可愛いのが普通だって言ってたじゃないか」

遥斗   「それは、ゲイの世界ではーっていうことであって。
      二人っきりでいるときは、可愛いとか、ナシでいいと思うんだよね」

大貴   「そうなのか?」

遥斗   「だーって僕、タチだし」

大貴   「タチとかネコとか関係あんの?」

遥斗   「あるでしょ。僕が抱いてる相手に可愛いなんて言われたくなーいの。
      コレ、男のプライド!」

大貴   「プライドなのか」

遥斗   「あーでもねぇ。時々思うよー。
      僕たち、正反対だからうまくいくんじゃないかなーって」

大貴   「確かに、共通点の方が少ないよな…」

遥斗   「男同士だから、共通点だってあるけど、
      ベッドの上での立場はハッキリ別れてるんだし、
      正反対の方が相性いいよね?」

大貴   「遥斗ちょっと待て。まだ俺は食べ終わってないんだけど」

遥斗   「僕は食べるの早いけど、大ちゃんは遅いもんねぇ」

大貴   「そ、そうだ、早い男は嫌われるとよく言うだろうっ」

遥斗   「でもさあ! 僕、そんなに早くないよねぇ?
      どっちかって言うとぉ、すーぐイっちゃうのは、大ちゃんだし?」

大貴   「そ、それはっ、遥斗がっ……!」

遥斗   「ほーらこういうとこも正反対だよねぇ」

大貴   「う、それだけは異を唱えたい! 色々と問題がっ……!」

遥斗   「それにーぃ、大ちゃんはぁ、超ドMじゃん?」

大貴   「おい!!!!」

遥斗   「僕は超ドSだから、反対で相性ぴったり〜」

大貴   「俺は超ドMなんかじゃ……」

遥斗   「違うの? 今更否定するなんて思わなかったなあ」

大貴   「ぁ……いや、えっと……」

遥斗   「ふふ。……ねぇ。僕まだ何もしてないよね?
      キスもしてないし、手すら触れてない。
      なのに、なーんで乳首、勃ってんのー?」

大貴   「ええ!?」

遥斗   「気付いてなかった? ほーら、シャツの上からでもわかっちゃうんだけどな〜ソレ」

大貴   「こ、これはっ」

遥斗   「これは?」

大貴   「遥斗が……そんな目で見るから、」

遥斗   「僕のせい? 違うよね〜? 感じてるのは、大ちゃんだもんね〜?」

大貴   「はる、と、」

遥斗   「大ちゃんは、バスケやってたから、筋肉質だし、身体も僕よりたくましいよね?
      背はそんなに変わらないけど、僕達が並んでたら、
      例えば腐女子みたいなコは、僕の方がネコだって思うかもしれない。
      でも実際は、僕はガンガン攻めるし、絶対タチだし……」

大貴   「おいっ、耳元で、囁くなっ……」

遥斗   「えーっ? なーんで?
      まだ食べ終わってないって言うから、待ってあげてるんじゃない。
      ほらー食べなよぉ」

大貴   「食べられるかっ、こんな状態でっ」

遥斗   「どーしてぇ? ああ、それとも、本当に食べたいのはトーストじゃない、とか?」

大貴   「っ!」

遥斗   「しょーがないな〜っ、そんなに言うなら、シてあげる」

大貴   「よせっ、遥斗……」

遥斗   「嫌じゃないくせに」(耳元で囁く)

大貴   「っぁ!!!!」

遥斗   「ふふん、大ちゃんってばほーんと耳弱いよねぇ?」

大貴   「遥斗っ」

遥斗   「あーあ、トースト落としちゃってぇ……食べ物粗末にしちゃダメでしょー?」

大貴   「だ、から、……やめろっていってるのに……」

遥斗   「じゃあ僕を突き飛ばせば?
      腕力の差だってあるんだから、簡単じゃーん?」

大貴   「突き飛ばすなんて……」

遥斗   「……抵抗したくないんだよね?
      大ちゃんはこうやって僕に攻められるのだーい好きなんだもんね〜?」

大貴   「……んっ……あ……」

遥斗   「僕以外の男とこんなことしたら、絶対許さないからね?」

大貴   「あっ……は、うっ……ん……!」

遥斗   「もちろん女だってダメだよ。
      大ちゃんは、僕だけのモノなんだから」

大貴   「……遥斗、だけ……しか、……好きじゃない……よ……」

遥斗   「どうかなぁ〜。大ちゃんは押しに弱いから……
      こうやって攻められたら簡単に他の男とヤっちゃいそう……(口付ける)」

大貴   「んっ……ふぅ……んちゅ……んン……」

遥斗   「ほら、ちょっと下を触ってキスしただけなのに、
      もうこんなに目を潤ませちゃってさぁ〜……」

大貴   「ちが……遥斗だから……こうなるんだ……」

遥斗   「僕だから?」

大貴   「そ、そうだよ。
      俺がこういうことすんの、遥斗が初めてだ、って知ってるじゃないか……」

遥斗   「わかってないなぁ。……これからどーなるかはわかんないじゃない。
      大ちゃんは、モテるんだから、もうちょっと自覚もってよね?
      僕がいつもどれだけ周りを牽制してると思ってんのー?」

大貴   「誰が、来ても俺は……遥斗だけ、だよ」

遥斗   「へぇ〜ホントに?」

大貴   「あんっ……ほ、本当、にっ」

遥斗   「喘ぎながら言っても説得力なーい。
      乳首弄られただけでこんなに感じちゃうんだから。
      いつ発情するかわかんないよね〜?」

大貴   「そんなっ遥斗以外には発情なんて」

遥斗   「じゃあ、証拠を見せてもらおうかな〜」

大貴   「えっ?」

遥斗   「僕以外に触られても発情しないって証拠、見せてよ。ね?」

大貴   「ど、どういうことだ?」

遥斗   「はーい、こんなところに、僕のネクタイがありまーす。
      それでぇ、椅子の後ろで、大ちゃんの手首を縛りまーす」

大貴   「遥斗っ!?」

遥斗   「あとはー……んー、タオルでいいかなぁ。目隠ししますよーっと……」

大貴   「おい、こんなのって!」

遥斗   「はーい、大ちゃんはーこれでー動けませーん!」

大貴   「ふざけてないで……んぅっ……ちゅ……んふ……っう……」

遥斗   「……、あれれー? いいのー? そんなにキスに応えちゃって。
      相手は僕じゃないかもしれないよー?」

大貴   「だって、ここには俺と遥斗しかいないじゃないかっ」

遥斗   「僕が内緒でトモダチ呼んでたらどうするのー?」

大貴   「あっん……!」

遥斗   「敏感だなぁ。こんなんじゃちっとも安心できない。
      イくの我慢してもらうからね、大ちゃん♪」

大貴   「あっ!? やめ……何をっ……!」

遥斗   「何を、って……ナニを縛ってあげてるの〜
      勝手にイかないように、根元をきゅーっと……」

大貴   「やめろって!」

遥斗   「でももうこんなにガマン汁出てるんだよね〜……ぺろっ」

大貴   「んんっ!!!」

遥斗   「さーてと、どこまで我慢できるかな〜」

大貴   「ふっ……あっぁんっ……! んんっ……!!!」

遥斗   「はむっ……んっ……ちゅぷ……くちゅ……じゅる……」

大貴   「ああっ……だめだっ……それは……それはっ!」

遥斗   「じゅぷっ……じゅぽっ……じゅぷっ……じゅぽっ……」

大貴   「はっ……あァ……ン! んっ……くっ……! ……イ……イく……」

遥斗   「イきたくてもイけないでしょ? こうされてちゃ。
      我慢だよー大ちゃんっ」

大貴   「あっんっ……我慢……無理……無理!」

遥斗   「えーーーっもう無理なのぉー?」

大貴   「おねが……ぃ、イかせてっっ」

遥斗   「やーだよ。まだだめー」

大貴   「遥斗……っ」

遥斗   「しょうがないなぁ、じゃあ触っててあげる」

大貴   「んっ……あっ……あんっ……はぁ……ん……」

遥斗   「こんなに淫乱なんだから……、目が離せないよ」

大貴   「あっあっあっあっあっあっあぁっ……!!」

遥斗   「イきたくてもイけないの、苦しい?」

大貴   「苦し……、イかせ……て……! 遥斗ぉ……!」

遥斗   「もぉ……可愛いなぁ大ちゃんは」

大貴   「遥斗ぉ……遥斗ぉ……!」

遥斗   「……今日はこれからデートだしね。
      僕のSスイッチが入る前に、イかせてあげる」

大貴   「はっ……あんっ……ふぁあ……!」

遥斗   「ほら、キスしよ、大ちゃん」

大貴   「んっ……ちゅ……くちゅ……んぅっ……んちゅっ……」

遥斗   「可愛い……ほら、激しくシゴいてあげる。キスしながら、イって?」

大貴   「はんっ……ちゅぅ……ちゅく……んっ……んふっ……イくっ……!!!
      んううううう!!!!!!」

遥斗   「……、あはは! ねぇ! すごく飛んだあ! テーブルにまで飛んだよ〜?」

大貴   「はぁ……はぁ……」

遥斗   「普段はかっこよくって、エッチしてる時は可愛くなるって、最強じゃん。
      ずーっと僕だけの、大ちゃんでいてよ?」

大貴   「……当たり前だろ。だから、そろそろ腕もはずしてくれって……」

遥斗   「ああ、ゴメンゴメン」

大貴   「映画に遅れるだろうがっ。
      今日までだからどうしても観に行きたいって言ったの遥斗だろ」

遥斗   「だからこれくらいで終わらせてあげたんじゃん。
      ほんとは疼いてるんじゃないの?」

大貴   「そんなことはっ、ないっ」

遥斗   「えーっ、それはそれでショック〜。
      もっとシてっておねだりするくらいになってくれないとなぁ」

大貴   「それもどうかと思うぞ」

遥斗   「まぁ、それは今夜でいいかなっ。
      帰ってきたら、この続き、ちゃーんとしてあげるからね?
      寝かさないぞお〜」

大貴   「わ、わかったからっ……
      とにかく、準備だ、準備っ」

遥斗   「その前に、お片づけ、ね?」

大貴   「うっ……」

遥斗   「まぁここは僕がやっとくから、大ちゃん下着も替えたいでしょ?
      着替えてきちゃいなよ」

大貴   「わかった……」

遥斗   「あ、ねえねえ大ちゃーん」

大貴   「なにー?」

遥斗   「映画観たあとさあ、いつものカフェ行く予定だったけど変えてもいい?」

大貴   「どこか行きたいとこでもあるのか?」

遥斗   「和カフェ!」

大貴   「わかふぇ?なんだそれ」

遥斗   「何だ、って知らないの!? 和モノ出してくれるカフェだよぉ!
      お抹茶とか、和菓子とか、軽食とかも、色々あるんだって!
      映画館からは少し離れてるんだけど、最近新しくできて評判いいみたいだから行きたいー!」

大貴   「和菓子って……くそ甘いじゃんかっ」

遥斗   「苦いお抹茶と一緒に食べるから大丈夫だよー?」

大貴   「俺が和菓子を一個食うのに何杯抹茶が必要か知ってるか?」

遥斗   「大袈裟だなぁ」

大貴   「あんなん食べたらあとでどれだけ頭痛くなることかっ!
      目で楽しんだら、あとは一口でいいんだ一口で!」

遥斗   「じゃあ、残った分は僕が食べる〜!」

大貴   「そうしてくれ」

遥斗   「苦いお抹茶、僕が残したら、大ちゃん飲んでね?」

大貴   「任せろ」

遥斗   「ほら、僕達相性ぴったり!ね?」

大貴   「……ああ、そうだな」

遥斗   「あ、着替え終わった?」

大貴   「おう」

遥斗   「あっ、僕があげたシャツ着てくれたんだー! 嬉しい!!」

大貴   「似合うか?」

遥斗   「うん、かっこいい!」

大貴   「そ、そうか」

遥斗   「ふふ! 大好きだよ、大ちゃん! ちゅっ」

大貴   「わっ!
      はは、うん。……俺も、大好きだよ、遥斗」

遥斗   「へへへー! じゃあ行こっ!」

大貴   「ああ、行くか」

遥斗   「いってきまーーーーーーっす!!!」







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